世帯主である夫が既に仕事を辞めて、妻と一緒に年金で生活していたところ、その夫が亡くなった時の年金受給の停止、未支給年金の受領、遺族年金の手続について説明します。
年金関係
年金受給の停止
亡くなった夫が年金を受給していた場合、夫の死亡により、年金受給を停止しなければいけません。
というのは、年金の受給資格は死亡した日に消滅し、死亡した月までしか年金は支給されないからです。
遺族が受給者の死亡を隠して年金の受領を続けることは犯罪になることもあります。
市区町村の役所に死亡届を提出されれば、年金も一時的に止められることになりますが、正式にとめるためには、国民年金の場合は死後14日以内、厚生年金は死後10日以内に「年金受給者死亡届」を年金事務所か年金相談センターに提出しなければなりません。
提出しないと後で記載する遺族年金等も受給できないことになります。
なお、日本年金機構に個人番号(マイナンバー)が収録されている方は、市区町村の役所に死亡届を提出すれば、「年金受給権者死亡届」の提出は原則不要です。
未支給年金の受領について
年金は、2ヶ月に一度、年6回に分けて支払われます。偶数月の15日に支払われますが、15日が土日祝日の場合は、その前日の平日に前倒しして支払われます。
例えば8月15日に支払われるのは、その前月の7月分と前々月の6月分です。このため、年金受給者死亡届の提出時期により、未支給年金(権利はあるが受け取られていない年金)が前月分生じることがあります。
この未支給年金については、亡くなった夫と生計を同じくしていた(一緒に住んでいた)遺族が「未支給年金・保険給付請求書」等(必要書類が多いので年金事務所等に確認・準備が必要です)を提出すれば、受け取ることができます(ただし、5年間の時効ですので、この間に受け取らねばなりません)。
未支給年金を受け取れる人には、優先順位があります。1番目が配偶者、その後は、子供、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、三親等内の親族になります。
遺族年金の手続
亡くなられた夫には妻がいます。いままで、夫の年金で生活していましたが、前記のとおり、夫が亡くなった場合は、その年金を停止しなければなりません。
今後の妻の生活のため、遺族年金が受給できないかを確認し、受給できる場合は、夫の死亡後5年以内にその受給の手続をする必要があります。
遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった夫が、亡くなったときに、その夫の年金によって生計を維持していた遺族が受けることができる年金です。前記の場合は、亡くなった夫の妻が今後の生活のために受け取ることになります。
遺族年金が受給できるのは、亡くなった夫によって生計を維持されていた遺族であり、決められた金額以下の年収または所得しかないこと、あるいは、死亡時には、これらの要件を満たさなくても、一定期間に退職や廃業により、これらの要件を満たすと認められる方です。
但し、今後、条件等が変更されることも考えられますので、実際に受給を検討される場合は、年金機構等のホームページや年金事務所や市区町村の役所の窓口に電話等でご確認下さい。
また、条件を満たしている場合は、やはり、年金機構等のHPや年金事務所や市区町村の役所の窓口に電話等で、受給できる年金の種類・必要書類を確認し、必要書類を準備の上、年金事務所や市区町村の役所の窓口で、手続をしてください。