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私(相談者)は、友達2人と3人で、別荘として、軽井沢に、土地・建物を共同で購入し(以下「本件土地・建物」といいます。)、3分の1ずつ共有して、使用していました。
しかし、私にお金が必要になったことから、私の持分を換価するため、協議により、本件土地・建物を分割したいと思いますが、どのような分割方法があるでしょうか。 -
この場合の分割の方法としては、大きく分けて、①共有物を売却してその売却金を分割する「換価分割」(「代金分割」「代価分割」ともいいます。)の方法、②共有物を特定の共有者に帰属させ、この者から他の者に対して、持分の価格を賠償させる「価格賠償」の方法、③共有物を持分割合に応じて物理的に分割する「現物分割」の方法の3つの方法があります。
本件は、相談者が金員を取得することを目的としていること、どなたも居住等されていないことなどからすると、当事者だけで協議して分割するには、①の換価分割のやり方が最も、相談者には良いと考えられます。
この方法の場合は、共有者全員で、本件土地・建物を売却することを合意して売却し、その取得した代金から、売却に要した費用等の清算を行い、3等分し、従前の本件土地・建物に関する費用の立替費用等の清算後、各共有者に金員を分けることになります。
できれば、複数の買受希望者から見積もり又は買い付け証明書を取得し、最も高値の買取価格を提示した買受希望者を選定した上、売却手続をすることが望ましいです。しかし、この方法の場合は、本件土地・建物を売却することになりますので、共有者の中で、本件土地・建物を使用し続けることを強く望む者がいる場合は、話をまとめることが困難になります。
そこで、②の価格賠償の方法が検討の対象となります。
本件の場合であれば、友人の1人が他の2人(相談者及びもう一人の友人)に対し本件土地・建物の3/1の値段を支払い所有権の全部を取得するか、友人2人が相談者に共同して本件土地・建物の3/1の値段を支払い、友人二人が今後本件土地・建物を共有するという2つの方法が考えられます。どちらの場合も、問題となるのは、本件土地・建物の評価、さらには、持分の評価額をどう定め、支払金額をいくらに決めるかということです。
不動産の評価は、路線価(相続税評価額)、固定資産税評価額、公示価格(地価公示価格)、地価調査標準価格(都道府県地価調査標準価格)等を参考にすることになるでしょう。
最後に、③の現物分割については、お金を取得しようとする相談者の意向からすると、不動産を分割して売却することになりますが、現物分割をするためには、評価が等しくなるように三等分する必要がありますが、電気、ガス、上下水道をそれぞれにうまく通せるか、建物をどうするか、その地域の条例等との関係をうまく調整できるか等の問題があり、また、調整するためのコストを考えると、実現するのは難しい場合も多いです。
したがって、基本は、前記①又は②の方法で協議をすることになりますが、協議がうまくまとまらないと見込まれる場合等は、弁護士に相談することをおすすめします。
協議による分割の方法
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