母親が亡くなり、兄弟姉妹がその遺産をどう分けるか話し合っても互いに感情的になり、合意できません。
遺産分割の調停の申立てをしたいと思いますが、遺産分割調停で、連絡先や相手方の相続人に対する評価等を秘匿したい場合はどうしたらよいのでしょうか。
また、経緯等を説明したり、遺産分割に対する意見を主張する書面はどう提出するのでしょうか。
遺産分割調停で、連絡先等を秘匿するためには、①「非開示の希望に関する申出書」に非開示の理由を記載し(チェック方式です)、ホチキスなどで非開示を希望する書面を止めるなどして届出を行います

また、経緯については、②「事情説明書(遺産分割)」に、ア 遺産分割の前提となる問題(遺言書の有無。遺産分割協議の有無、相続人の範囲等、イ 被相続人について(死亡原因、同居していた相続人等)、ウ 今回の申し立てについて(いきさつ等)、エ 希望する分割方法等について記載して提出します。
この事情説明書は調停手続では相手方に送付されませんが、閲覧(見ること)・謄写(コピー)が許可される場合があります
また、審判手続の場合は、相手方に送付されます

さらに、③「進行に関する照会申出書」に、オ 出頭しない相続人がいるか、カ 相手方の中に代理人弁護士がついている方がいるか、キ 相続人の中に裁判所で暴力を振るうおそれがある人がいるか、ク 調停日の希望、ケ 裁判所に配慮を求めることなどを記載して提出します。
この書面は、閲覧・コピーの対象とはしない取り扱いになっています。

上記の①~③の書面及びその取り扱いは、東京家庭裁判所の取り扱いを前提としています(Google等の検索サイトで、「東京家庭裁判所 非開示の希望に関する申出書」、「東京家庭裁判所 事情説明書」等で検索して下さい。)が、どの家庭裁判所も骨子は同じような形となっていると思います。

特に秘匿を希望される場合は、調停が行われる家庭裁判所に電話、来所等で、詳細をお聞きいただき、場合によっては、裁判所に入る際や出る際の手順等も調整してください。また、調停の際には、調停委員にも口頭で秘匿の理由、内容を説明することをおすすめします。

ご自分では、対応が難しい場合は、弁護士にご相談することをお勧めします。

1回目以降、自分が主張する遺産分割案が妥当という主張を、相手方を含め行う場合は、主張書面を提出するなどしていくことになりますが、これについては、また、記事を作成します。