遺産(相続財産)の調査の仕方として、1-基本事項、2-遺言書の探し方、3-銀行口座の探し方、4-不動産の調査を記載してきましたが、ここでは、遺産の調査5-株式と生命保険の探し方を記載します。
株式等の相続財産の探し方の記事では、株式、債権、投資信託等の金融資産の探し方の基本として、故人のご自宅等で、資料を探して、証券会社等に連絡する方法について記載しました。
ただし、これ以外にも調査方法がありますので、ここではそれを記載します。
亡くなった被相続人がどこの証券会社に上場株式などの口座を持っていたか、ご自宅等を探しても分からない場合、又は、もともと故人と関係が薄く、自宅等を調べることができない場合等については、証券保管振替機構(略呼称「ほふり」)を通じて照会する方法があります。
このシステムの具体的な利用方法は、証券保管振替機構のHPで確認いただきたいと思いますが、郵送で手続が可能で、相続人は戸籍・除籍や死亡診断書のコピーなどの書類を提出し、利用料1回数千円を支払うことになります。
ただし、この制度は、非上場の株式・投資信託などは対象外ですので、これらについては、ご自宅等で資料を探すしかありません。
株式等があることの遺産分割手続等については、株式等の相続財産の探し方 の記事をお読みください。
また、生命保険についても、株式等と同じように基本的には、故人のご自宅等で、資料を探し、生命保険会社に紹介することになります。
ただし、2021年7月から、亡くなった被相続人が、どこの生命保険会社の生命保険に加入していたかが分からない時などは、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」により、加入している生命保険がわかるようになりました。
この制度は、親・家族が死亡したときだけでなく、生命保険の加入者の判断能力が低下したときにも使えます。もともとは、災害地域の被災者のために作った制度について、利用者を拡張したものです。
具体的な利用方法については、生命保険協会のHPをみていただきたいと思いますが、生命保険協会に対し、相続人は戸籍・除籍や死亡診断書のコピーなどの書類を提出し、利用料1回数千円を支払うことになります。
生命保険協会が同協会に加入している生命保険会社に照会し、その結果を教えてくれます。
故人が加入していた生命保険会社が判明した場合、利用者は自分でその保険会社に内容の確認や保険金の請求をすることになります。
なお、生命保険金は、特定の相続人が受取人が決められている場合は、原則、遺産となりませんので注意が必要です(「相続における生命保険金の取り扱い」。