父の弟(A)の奥さん(B)という方から手紙が来ました。私は、Aについては知らなかったのですが、最近、亡くなったということでした。
私の父は既に亡くなっており、私は一人っ子で、兄弟はいません。Aにはお子さんもいないということでした。
そして、Aはある程度の資産家で、私も相続人ということでした。

私の祖父と祖母には、私の父とAの二人の子供がいたとのことでした

しかし、祖母は、私の祖父と結婚する前に、他の人と結婚し、CとDという子供がいたそうです。
Cとその唯一の子供であるE、及びDは既に亡くなっており、Cから見ると孫のFとDの子供Gは健在ということでした。

結局、亡くなったAの関係では、配偶者のB、兄の子供の私、父親が違う兄弟Cの孫のFと同じく父親が違う兄弟Dの子供のGがいることになります。

このうち、Aの相続人は誰で、また、それぞれの相続分はどのようになるのでしょうか。

まず、Aの相続人は、配偶者Bと兄の子供にあたる相談者、さらに、父親が違う兄弟であるDの子供のGです。残念ながら、父親が違う兄弟であるCの孫Fは相続人ではありません。

また、それぞれの相続分は、配偶者のBが4分の3、相談者が6分の1、Gが12分の1となります。

Gが相続人であるのに、Fが相続人でないのは、兄弟姉妹が相続人の場合は、代襲相続はありますが、再代襲がないことによります。

代襲相続とは、相続人が相続開始以前に既に死亡した場合などに、その子が変わって相続するという制度です。

再代襲というのは、代襲相続人となる子も既に死亡した場合などに、さらにその子が代襲相続人となる制度です。

例えば、甲が親、乙がその子、丙が孫、丁がひ孫とします。

乙が甲より先に死亡し、その後、甲が亡くなった場合、丙が代襲相続します
乙、丙が甲より先に死亡し、その後、甲が亡くなった場合、丁が再代襲します
なお、再代襲は、玄孫であれ、被相続人の直系卑属がいる限り、続くことになります。

ところが、兄弟姉妹の場合は、代襲相続の制度は適用されますが、再代襲の制度は適用されません
このため、被相続人のAの兄弟であるCの孫のFは、Aの相続人になりません

次に相続分ですが、兄弟姉妹が相続人の場合、被相続人と片親だけ一緒の兄弟姉妹の相続人の相続分は、両親が一緒の兄弟姉妹の相続分の半分となります。

本件の場合ですと、被相続人Aと相談者の父親は両親が一緒ですが、Dは父親が違います。そこで、Gの相続分は、相談者の相続分の半分となります。

具体的には、まず、配偶者(B)の相続分は4分の3、兄弟姉妹の相続分は4分の1です。Gと相談者の相続分は、1:2ですので、
1/4÷3=1/12
相談者の相続分が、2/12=1/6
Gの相続分は、1/12となります。

なお、相談者、Gに兄弟がいる場合は、それぞれの相続分を兄弟の数で割ることにより、相続分を算出することができます。例えば、Gに1人兄弟がいる場合は、
1/12÷2=1/24
が、それぞれの相続分となります。