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私は、ある程度の資産を有することから、遺言書を作成しようと思います。
今、私が亡くなった時、相続人となるのは、配偶者Aと子供B、亡くなった子供Cの子供(孫)DとFです。
聞いたところ、遺留分というのがあって、遺言書で、相続人に遺留分より少ない額の財産しか遺贈等しないと、相続開始後、その相続人が他の相続人に請求できると聞きました。
私の場合、相続人となる人の遺留分は、それぞれ、どのようになるのでしょうか。 -
遺留分とは、被相続人の贈与や遺贈、相続分の指定・特定財産承継遺言に関わらず、一定の相続人が遺産を受けることを保証するために、法律上定められている一定割合のことです。
本設問の場合、
配偶者Aの遺留分は、遺留分算定の基礎財産の1/4
子供Bの遺留分は、遺留分算定の基礎財産の1/8
孫D及びFの遺留分は、それぞれ遺留分算定の基礎財産の1/16
となります。遺留分算定の基礎財産については、また、説明した記事を本HPに記載しますが、
基礎財産=【被相続人が相続開始時点で有していた財産(遺贈財産を含む)】+【贈与財産】-【相続債務の全額】
で算出される基礎財産です。遺留分の割合は、
① 相続人が兄弟姉妹の場合は、遺留分はありません。
② 直系尊属のみが相続人である場合は、法定相続分の1/3
③ ①②以外の場合は、法定相続分の1/2となります。
④ 相続人が1名の場合、その相続人が直系尊属であれば1/3、そうでない場合は1/2となります。本設問の場合、配偶者の法定相続分は、2分の1ですので、配偶者Aの遺留分は
1/2×1/2=1/4
となります。子供が相続人の場合の法定相続分は、2分の1です。
しかし、本件の場合、子供Cが既に亡くなってその子のDとFが相続することになります。
このように、相続人である親がなくなった場合にその子が相続することを代襲相続といいます。代襲相続をした代襲相続人(本設問の場合はDとF)の相続分は、被代襲者(本設問の場合はC)の相続分ということになります。代襲相続人が複数いる場合は、その間で均分相続(均等の相続分で相続すること)されることになります。
本設問の場合、子供はBとCの二人です。子供の法定相続分は1/2ですので、BとCのそれぞれの相続分は、1/4で、さらに、それぞれの遺留分は、1/8となります。
そこで、Bの遺留分は、1/8となり、DとFの遺留分は、さらにそれを2分の1した1/16となります。
遺言書を作成する場合は、各相続人について、基礎財産に遺留分を乗じた価格の遺産が相続等されるようにしないと、それより少なくしか相続しなかった相続人が多く相続した相続人に遺留分侵害額請求権(民法の相続法の改正前であれば遺留分減殺請求権)を行使することができることになります。
もし、相続後、遺留分侵害額請求権が行使されると、相続人の間で、紛争が生じることになりますので、この点を考慮の上、遺言書を作成する必要があります。
遺言書ではどの範囲の財産を自由に処分できるのか(遺留分の帰属及びその割合)
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