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私の夫が先日(令和3年6月●日)亡くなりました。私はいわゆる内縁の妻で、入籍していませんでしたが、夫には亡くなった先妻の子供が一人います。
夫は、令和1年10月●日に私に、800万円を贈与する贈与契約を締結してくれて、私の口座に、令和3年3月●日に800万円を振り込んでくれました。
ところが、その後、脳出血のため、急死してしまいました。
私は、夫の資産については把握しておらず、この800万円が遺産と比較して、どの程度の大きさなのかわかりません。
贈与については、死後、遺留分という制度で、修正されると聞きましたが、私は、夫の子供から、このお金の返還を求められるのでしょうか。
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内縁の妻は、法律では、夫の相続との関係で、相続人以外の第三者と扱われることになります。
被相続人(この場合は夫)の死亡より、1年以上前に贈与契約が締結された場合、第三者にされた贈与は、その贈与当事者双方が、遺留分権利者(この場合は夫の子供)に損害を加えることを知っていない限り、遺留分算定の基礎財産に含まれないため、夫の子供から遺留分で返還を請求されることはありません。
遺留分とは、被相続人の贈与や遺贈、相続分の指定・特定財産承継遺言に関わらず、一定の相続人が遺産を受けることを保証するために、法律上定められている一定割合のことです。
上記遺留分で贈与とされている内、共同相続人に対する贈与ではない(この贈与については、別に記載しますが、原則10年以内の贈与が対象になります。)第三者に対する贈与については、原則としては、「被相続人の死亡前の1年間」に行われたものに限られます。ただし、例外としては、これより前に行われた贈与であっても、贈与当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知っていた場合は、遺留分算定の基礎財産に含まれることになります。
「被相続人の死亡の1年前」とは、贈与契約が相続開始前の1年間に締結されたことを意味します。
本件の場合は、贈与契約の締結は、「令和1年10月●日」ですので、履行である振込が、令和3年3月●日であっても、夫が亡くなった令和3年6月●日の1年以上前になります(なお、学説では、異説もあります)。また、例外的に1年以上前の贈与が含まれる「損害を加えることを知って」とは、遺留分権利者に損害を加えるべき事実を知っていたこと、つまり、贈与時に贈与財産の価格が残存財産の価格を超えることを知っていただけでは足りず、将来において相続開始までに財産が増加しないことの予見のもとで、当該贈与がされたことを必要とするとされています。
本件の場合は、夫の資産については把握していないとされていることから、客観的事実としてそうであれば、夫はともかく相談者は、「損害を加えることを知って」とはいえないと判断されると思います。
遺留分算定の基礎財産に含まれる贈与はなにか(第三者への贈与)
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